「そろそろやなぁ」

「何がですか?」


―――ピンポーン

「おっきたきた」

「へっ!?」

誰が来たんだろう?
折角、中澤さんと2人でいるのに。

「よしこー!」

「ご、ごっちん!?!?」

「えへへ。誕生日おめでとう」

「あ・・・ありがとう」

「ごっちんな、どうしても吉澤のお祝いしたい言うててな」

「毎年さ、お祝いしてたじゃん?」

「うん」

「だからさ、それだけは変えたくないなって思って」

「ごっちん・・・」

そうだ、去年まではずっと・・・ごっちんが祝ってくれてたんだよね。
仲間であり、親友のごっちん。
中澤さんと付き合ってから、すっかり忘れてた。
そんなごっちんの優しさに、鼻の奥がツンっとした。
ちょっとでも邪魔するなって思った事・・・ごめんね。

「ごっちん、ライブ終えて急いで来てくれたんやで。
 今日は3人でお祝いしよ。
 吉澤は、えぇ親友居って羨ましいで。ホンマに」

「はい・・・」

「よしこ・・・邪魔してごめんね?」

「ううん、嬉しいよ。ありがとう」

申し訳なさそうな顔をしてたから、思いっきり笑顔で答えてみた。
そしたら、ごっちんもいつものフニャーとした笑顔に戻った。
ごっちんの誕生日もお祝いしようね。
このメンバーで。










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