「ねえ、何で麻琴がいるの?」

せっかくあたしが断ったのに。
誕生日パーティーしましょうよって言う後輩を
ごめん、ごっちん家に行くからって断ったのに。
なのに、なんでここにいるわけ?

「だって、小川に”行っていいですよね? ね?”って言われたんだもん。
 断れなかったんだもん」


そりゃあね? ごっちんはやさしいから。
後輩の頼みを無碍にできなかったんだよね?
わかるよ? わかるけど。
でもそうするとあたしの苦労はどうなるのかって話。


「ごめん…ごめんね?」


ごっちんがあたしの顔を覗き込む。
あたしってば、そんな不機嫌そうな顔してる?



「わかったよ。だけどあとでちゃんと…」

「うん、わかってる」


仕方ないから三人でパーティーしてやるよ! なんておどけて。


「えー、仕方ないって何ですかぁ」

ひどいなあなんて麻琴が言ってるけど。
タイムリミットは23時までだからね?

「タイムリミットつきですか?」

「当たり前。そのあとはごっちんといいことすんの!」


ばか なんて真っ赤になってるごっちんを横目に
呆気にとられる麻琴を尻目に
一人ニヤケるあたしの誕生日。










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