「ねえ、誕生日、何がほしい？」
そう聞かれてリクエストしたのは
１９の誕生日にもらったら幸せになれるって言うあれで、
どんなのをくれるのかななんて
どきどきしながら今日を迎えた。
「誕生日おめでとー」
たまたま一緒の仕事だったから、
みんながいる前で、感動も何もあったもんじゃなかったけれど
「ん…」
なんてかっこつけて受け取って。
「開けて見せてよー」
ほらね、メンバーからこういわれるのわかってたからさ、
君からのプレゼントは、
本当は二人のときにもらいたかったんだよ。
「あの大きさからしたらアクセだよね」
メンバーは予想まで始めちゃってる。
しゃあない…開けるか…。
きれいに施されたラッピングをほどくと、
中から出てきたのはアクセサリーケースで
それを開けると…
「ありがとう…ごっちん…」
ＨＹって字がデザインされたシルバーリング。
重厚なデザインであたしの好みだ。
「初めてだから下手でごめんね？」
「作ったの？」
「うん」
「こんなことできたんだ」
「ううん、あやっぺにおしえてもらいながらだよ」
「そっか…すげえうれしい」
本当はちょっぴり石黒さんに妬いたんだけど、
「アホ」って言われるからそれは内緒。
「よっすぃ〜、すっごいにやけてるし」
突っ込まれつつ。
ならいっそもっと呆れられようか？
あたしはむぎゅーってごっちんを抱きしめた。
「ちょっと、よしこ？」
じたばたごっちんが逃れようとするけれど、
離さないんだから。
ほらね、呆れたメンバーがやってられんって顔して離れてった。
さあ、二人になったよ？
も一度言ってよ、おめでとーって。