「お邪魔しまーす!」

「おぉ、いらっしゃい!」

「わぁ・・・いい匂い」

「今日は特別な日やからな」

「これ、全部中澤さんが作ったんですか?」

「そやで」

私が中澤さんの家に行くと、美味しそうな手料理が並べられていた。
特別な日っていうのは、私の19歳の誕生日なんです!
やっぱり、好きな人と過ごしたいじゃないですか。
って・・・誰に言ってるんだか・・・。

「ほら、そんなとこ突っ立てないではよ座り」

「はーい」

私が座ると、中澤さんはグラスにジュースを注いでくれた。
そして、自分のにはワインを入れている。

「それじゃ、吉澤の19歳の誕生日に」

「「かんぱーい!!」」

「ん、めっちゃ美味しいっすよ!」

「そか、頑張った甲斐があったな」

「中澤さんは食べないんですか?」

「吉澤見てるだけで腹いっぱいになりそうやわ」

「えぇー!?!?」

「ホンマ、美味そうに食べるよな」

「子供だって言いたいんですか・・・?」

「そうやないって」

どうせね・・・未成年で一緒にお酒飲めないですよ・・・。
今だって、私だけジュースで・・・・・。


「あぁ・・・あと1年かぁ・・・」

「なんや、急に?」

「えっと、あと1年でお酒飲めるようになるなって」

「もしかして、気にしてるんか?」

「だって、一緒にいるだけで楽しいですけど・・・。
 私がお酒飲めたら、もっと楽しいんじゃないかなって思って」


あぁ・・ほら困った顔されちゃったよ。
これが子供なんだろうな・・・私。


「じゃ、特別に飲んでみるか?」

「いいんですか・・・?」

「少しならな」

「やったー!ワインパーティーしましょう♪」

「パーティーってほどないけどなぁ」


中澤さんは苦笑しながら、グラスを持ってきてくれた。


「どうなっても知らんからな・・・?」

「大丈夫ですって!」













「吉澤・・・?おいってば・・・・・」

「へへ・・・中澤さ〜ん!大好きれす〜♪」

「わっかった・・・・わかったから。
 あぁ・・・飲ますんやなかった・・・・」


案の定、調子にのってガブガブ飲んだ私は・・・・・・。
ヨロヨロしながら私をベッドへ運んでくれた中澤さん。
はぁ・・・情けないっす・・・。
もっとね、こう・・・甘い夜をって考えてたのにな・・・。
かなりへこみましたよ・・・。
でも、次の一言で私の心は浮上しましたよ!



「吉澤、来年はちゃんとワインパーティーしよな」






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