何でこんな日に遅くまで仕事なのかなあ。
半分むかつきながら仕事をこなして。
終わったのは23時を過ぎていた。
はあ…
超高速で帰り支度をして、
他のメンバーに「はやっ!」なんて突っ込まれた。
だってさ、どうしても今日は行かなきゃいけないところがあるんだ。
「何急いでんの?」
「約束があるんです」
「まいちゃん?」
「違いますよ」
「アヤカ?」
「違います」
「小川?」
「ごっちんですぅー」
そう言いながらあたしは飛び出した。
昨日、もらったメール
『明日、仕事終わったら家に来て? 暇だったら、でいいけど』
暇です! 暇ですとも!
他の親友たちもパーティーしようってメールくれたけど
日付が変わる瞬間ってくれたのは君だけだから。
4月11日23時45分にごっちん家に着いて。
待ってたよーって招き入れられたリビングには
でっかいケーキがおいてあった。
「真希ちゃんが作ったの?」
「うん。気合入れすぎちゃってでっかくしすぎちゃった」
「ううん、すっげえうれしい」
「ほんと?」
「うん。今年はさ、祝ってもらえないって思ってたから」
「なんで? 私はこれからもずっとよっすぃ〜の誕生日はお祝いするよ?」
「あたし、この一年さ、あんまり真希ちゃんのこと大事にしてなかった気がしてさ」
「バカ。ちゃんとよっすぃ〜の愛、感じてたよ?」
「本当?」
「近くにいてくれなくてもさ、いっつも優しい目で見ててくれたじゃん」
よかった。
この優しい笑顔を失うなんてありえないから。
「食べていい?」
「ちゃんと、手洗いうがい、してからね?」
「はーい」
19本のローソクを吹き消して、朝が来るまでパーティーしよ?
幸せだ。すっごく。